「病院へは行かん!」異常値に慌てる私と動じない文さん――データより大事な「目の前の現実」

雑記

今朝は文さんの調子が悪かった。1時間起きてこない。

異常値の朝

文さん
文さん

なんか…苦しい

どうやら体調不良。心臓がバクバクして体調が悪いという。 起きてくるのが1時間遅くなる現象は、実は10日前にもあった。あの日も体調不良で1時間遅く起きてきて、血圧の下が異常に低く、最終的に病院へ連れて行ったのだった。 頭をよぎるのは「心不全」の脅威だ。

息はハアハアと荒く、朝食をやっと食べている有様。 体温はさほど悪くないが、何回測っても血圧が低すぎる。 血圧が「上84-下51」。いつもなら上は100を超え、下は60代なのに……。 熱はなく、体重が極端に落ちていることもない。脈拍も68と正常だ。

少し気にかけながら様子を見ていると、文さんは「大丈夫だから」と言って病院に行こうとしない。

文さん
文さん

大したことないから大丈夫

しばらく様子を見ることにし、午前中はそのまま過ごした。

しかし……である。 軽い昼食を済ませ、いつものようにテレビを眺めていたとき、ふと気づくと本来なら仕事に戻っているはずの文さんの姿が見当たらない。ベッドで寝込んでいるのだ。

私
私

どうしよう? 病院へ連れて行った方がいいのかな?

とりあえず血圧計を持ってきて、今朝の血圧と比べてみることにした。

表示された数値は「上62-下29」!!

完全な緊急事態である。 不安になり、もう一度ベルトを巻き直して計り直す。

「上64-下35」、脈拍54、体温36.7度。

やはり明らかな異常値だ。

横たわっている方が体が安まるらしく、息をハアハアさせながらベッドに横になっている。 急いでかかりつけ病院に電話をし、主治医の名前と現在の状況を伝える。土曜日の時間外で担当医はいなかったが、「すぐに連れてきてください」との指示が出た。

体調の悪い文さんを起こして着替えさせ、連れて行くこと自体、本人にとってはかなり辛い作業だったと思う。 病院に行く前、文さんは「病院はいい」と渋っていたが、「体調が悪いときに無理をするな」と説得し、なんとか車に乗せた。

【時間外診察と、あとから分かった「測定の落とし穴」】

病院に着くと、文さんは自宅にいるときよりも息切れが落ち着いているように見えた。 血液検査や心電図を受け、病院で再度血圧を測ると、上は100を超え、下も60を超えて正常値に戻っていた。

看護師
看護師

血圧は問題ないですね

点滴を受けて落ち着く文さんを待ちながら、ふと考えた。 通常、文さんは左腕で血圧を測っている。しかし、あの時ベッドで寝ていた文さんの血圧を測った際、私は右腕で測定していた。

後から調べて知ったことだが、左右で極端に血圧差が出ている場合、単なる測定誤差だけでなく、血管の塞がりなどの病変が隠れているケースもあるらしい。測定位置や体勢による違いも、記録として主治医に伝えるべき重要な情報なのだと痛感した。

休日診療の先生からの検査結果は「通常と同じ意味での異常なし」。ひとまず胸を撫で下ろし、その日は帰宅した。

【翌朝の再発と、AIの警告】

しかし、試練は再び訪れた。 文さんは今朝も同じように心臓がバクバクして苦しかったらしく、1時間遅れて起きてきた。

息をハァハァさせながら朝食を食べ終えると、文さんは主治医から習慣づけられている「自己管理」として、自分で血圧や脈拍を測り始めた。

心不全の管理では、この日々のセルフチェックが命綱になる。 しかし、測定器を見た文さんが声を上げた。

文さん
文さん

脈拍が異常に早い。128もある!

見てみると、確かに脈拍の数字が「128」を示している。 念のため、指先で測るパルスオキシメーターを使ってもう一度計測してみるが、今度は「130」。

尋常ではない数値に不安がピークに達し、私はスマホのAIを取り出してこの状況を尋ねてみた。

AI
AI

完全に異常なレベルです。救急車を呼んでください。すぐに病院に搬送する必要があります

画面に表示された強い警告に焦り、すぐに病院へ連れて行こうとする私。

だが、文さんは頑固だった。

文さん
文さん

大したことはない! 病院へはいかんぞ!

私
私

えぇ!!だってこんな異常値なのに?

【数字の危険性と、目の前の「現実」をどう判断するか】

「そんなこと言ったって、この異常値だよ!」と説得しようとしたが、ここで私は一呼吸置き、改めて文さんの全身をじっくり観察してみることにした。

高齢者や持病のある人は、無理をして「大丈夫」と強がる傾向(防衛的な否定)が強い。だから「本人が大丈夫と言うから大丈夫」と鵜呑みにするのは危険だ。

ましてや「脈拍130」や「極端な低血圧」は、無症状であっても突然急変しかねない心不全の明らかな危険サインであることに変わりはない。

しかし、AIのように「数字だけ」を見て機械的にパニックになるのも違うのではないかとも感じた。 画面上の「130」という数字と、目の前で座っている文さんを比較する。

私
私

文さんのこと、私がしっかり見ていなくちゃいけない。

確かに息切れは少しあるが、意識は鮮明で、顔色や会話の受け答えも落ち着いている。

どこか自分の体の異常な数字に驚きつつも、冷静に対処しようとしている様子さえ見えた。

文さん
文さん

すこしゆっくり座っていたら大丈夫

昨日からの行動を振り返ると、前日に少し無理をして作業をしていた疲れが出ている可能性もあった。 医療的なリスク(高脈拍の危険性)を頭の片隅に強く警戒しつつも、「今すぐ救急車を呼んで騒ぎ立てることが、かえって本人に負担をかけないか」を冷静に秤にかけたのだ。

私
私

もう少し、もう少しだけ、様子を見てみよう!

結局、その場は無理をさせず、血圧手帳に「脈拍130(朝)」としっかりメモを残した上で、自宅で厳重に様子を見る選択をした。

幸いにも、昼過ぎには朝の数値が嘘のように落ち着き、夜の脈拍は「84」まで下がった。今日一日は何事もなく穏やかに過ごすことができた。

【今回の経験から得た教訓】

今回の騒動で痛感したのは、「AIや計測データの警告」と「目の前の本人の状態観察」、その両方を冷静に組み合わせることの大切さだ。

AIは数値上のリスクを正確に教えてくれるが、本人の表情や意識状態、前日の疲労度までは見ることができない。

一方で、人間の目だけに頼ると「本人が強がっているだけ」見落としてしまう危険がある。

  1. 数値の異常は決して放置せず、必ず記録(手帳)に残して後日主治医に報告する
  2. AIの警告にパニックにならず、本人の意識・顔色・呼吸状態を観察する
  3. 「左右どちらの腕で測ったか」「どんな体勢か」などの状況もメモしておく

データに過剰反応して振り回されるのも危険だが、楽観視して見過ごすのも危険。

大切な家族の命を守るためには、便利なツールを活用しつつも、最後は自分の目で冷静に現状を判断するバランス感覚が必要なのだと、改めて学びを得た一日だった。

私
私

見守りは常に細心の注意が必要よね。今日のところはひとまず安心。

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